2010年3月9日

「イケシオ」 急成長で世界へ殴り込む 潮田玲子 


  9月11日に行われた全日本社会人選手権(千葉県総合SC体育館)の混合ダブルス決勝は、熱気に包まれた。
テレビカメラ7台が並ぶコートに登場したイケシオが、4月のアジア大会3位の平田典靖(トナミ運輸)、前田美順(NEC)組を2-1で下した。
日本バドミントン協会の関係者も「よくやった」と手をたたいて喜んだ。
 関係者が期待するには、ワケがある。女子ダブルスで日本中をとりこにした「オグシオ」こと小椋久美子(三洋電機)と潮田のペアが、昨年の全日本総合選手権での優勝を最後に解散した。
協会は、ロンドン五輪へ向けて人気と実力を兼ね備える新たなペアが必要と考えた。
そこで持ち上がったのが、混合ダブルスの強化。これまでは、男女それぞれのダブルス選手の中から即席でペアを結成し、試合に出場させていたため、長期にわたって強化された専属ペアは存在していなかった。

 混合ダブルスで五輪メダル獲得を目指す方針を打ち出した協会は1月中旬、「混合ダブルスには前から興味があった」という潮田に声をかけた。
パートナーは同じ九州国際大付高で3学年先輩だった池田(男子ダブルス北京五輪代表)に決まり、4月に結成した。 2人は男女ダブルスでそれぞれ世界選手権で銅メダルを獲得した実力派だ。
しかし混合となると、フォーメーションや攻撃方法などプレースタイルは異なる。
「私たちは初心者同士。試行錯誤で戦い方を覚えている段階」と潮田はいう。
 一日6時間以上の特訓を積み、わずか半年で国内初戦で初タイトルを奪った。協会の期待に応えて最初の目標は達成したが、国際大会4度目の挑戦となったヨネックス・オープン(東京体育館)では、外草ィの壁にはね返された。
9月23日に行われた1回戦で韓国ペアに1-2で惜敗。「悔しい!と声を張り上げた2人だが、表情は明るかった。
 社会人選手権の前は個々の実力に頼っていた点を、インドネシア選手との直前合宿で修正した。第1ゲームは潮田が徹底的に前衛で男子選手の打球を止め、後衛でカバーする池田のスマッシュにつなげて21-11で奪った。最終ゲームでも13-19から6連続得点するなど、見せ場をつくった。

 「潮田は男の速い球も返せるようになっている」と話した池田は、「もっと練習を積めば、戦い方にも慣れてくる」と自信を深めた様子だ。潮田も「試合には負けたけど、社会人選手権のときよりも混合らしい動きになっている。2人で上を目指していきたい」と意気込む。
 そんなイケシオに、協会は海外の強豪国から専任コーチの招聘(しょうへい)を検討中で、年内はオランダオープンやデンマークオープンなど海外を転戦予定。(ヨネックス・オープンの時に世界ランキング181位だったペアは、一歩ずつでも確実に歩みを進めていく。

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